義母の介護のために、夫とともに2011年に
横浜市から移住。パン教室を主宰しており、
パンを通して出会いが広がったと言います。
横浜市出身
義母の介護のために、夫とともに2011年に 神奈川県から移住。パン教室を主宰しており、 パンを通して出会いが広がったと言います。
横浜市出身
夫の母の介護のため、2011年に夫の生まれ故郷でもある本市に横浜から移住。移住したばかりの頃は、言葉の違いにとても戸惑ったと岩田さんは振り返ります。
「方言が理解できず、自分らしさも発揮できなかった。スーパーに行って、使い慣れた食材が棚の奥にあったことにも驚きました。関東と四国の違いを気にしていました」
岩田さんはパン作りが大好きです。神奈川で暮らしていた時は仕事もしていたため、趣味程度だったそうですが、時間があれば家でパン作りを楽しんでいました。慣れない場所での生活を夫が気遣い、市の広報を見て「家にいるばかりではハリがない。パン教室を開いたらどうか」と、市の管轄する施設「働く婦人の家」で、パン作りの教室を始めることを勧めてくれたそうです。
最初は身内だけで始めたパン教室ですが、親族が友人を呼んでくれたり、通っているスポーツジムで知り合った人が「やってみたい」と来てくれたり、少しずつ出会いが広がり、友人も増え、酵母を使った本格手ごねパン教室も定着していきました。
自家製酵母を使った本格手ごねパン、地元食材を使ったパン、お店には売られていないようなオリジナルのパンなどを作ることができる「文子ママのパン教室」です。
「『今まで食べたことのないパンが食べられて嬉しい』といった感想を聞くときが一番嬉しいです」
岩田さんはパンを作ることで様々な人と関わり、自分が出来ることにも気づきました。
「移住を考えている人、移住することに不安のある人に、パワーをあげられたら」と、夫とともに、香川県への移住を希望する人に移住者が香川の魅力をPRする「かがわ暮らし応援隊」の活動も始めています。
こうして、自身が感じていたバリアも剥がれ、日々の暮らしを楽しんでいる岩田さん。
「お中元には小豆島の素麺を送ったり、オリーブオイルを友人へのお土産にしたりしていますが、香川の良さ、四国の良さを知ってもらいたいと思っています。田舎生活は不便なこともありますが、バランス良く付き合うことがポイントではないでしょうか。『良いもの』を発見することで、見方も変わります」
人のつながりが強い
市役所の人の対応が丁寧で、何もわからない自分に対し、親切にしてくれたことが今でも忘れられないそうです。
「日常生活でも、人の触れ合いや温かみを感じることがあります。そういった地域性は都会にはなく、義母の車いすを押している姿を見て『親子みたいだった』と言われ、嬉しかったです。横のつながりが強いのも特徴で、周囲が見守ってくれています」
そう語る岩田さん。最後に移住者へのアドバイスをいただきました。
「勇気を出して一歩踏み出してみることがとても大切だと思います。種をまかなければ芽は出ません。自分から動いていくことで世界が広がります」