アイヌの人々に対する差別
アイヌの人々は、現在の北海道に先住していた民族で、自然の豊かな恵みを受け、固有の言語や伝統的な儀式など、独自の文化・伝統を持って暮らしていました。
しかし、次第に独自の生活様式や文化は侵害されるようになり、明治時代以降の国による同化政策(アイヌの人々の日本人化政策)により、狩猟を禁止され、土地を奪われ、教育の場などでアイヌ語の使用が禁じられ、日本語を使うことを強制されるようになりました。アイヌの人々は、その独自の文化や生活を禁止されたことで、生活の基盤や独自の文化を失い、日常生活において様々な偏見による差別を受けてきました。
この問題を解決するため、平成9年の「アイヌ文化振興法」をはじめ、国による様々な取り組みが進められました。こうした動きは、平成19年に、世界の先住民族の権利を認める国際連合宣言が採択されたのを機に、一層推進されました。令和元年には「アイヌ施策推進法」が施行され、地域・産業・観光の振興なども含めた総合的な施策が進められています。令和2年に、アイヌ文化の復興・発展の拠点として博物館などからなる「民族共生象徴空間(愛称「ウポポイ」)」が設立されたのも、その一つです。
しかし、今でもなおアイヌの人々に対する誤った認識などから、アイヌの人々への偏見・差別が残っています。
私たち一人ひとりが、アイヌの人々の歴史や文化を正しく理解し、偏見や差別のない共生社会をめざしましょう。
関係する主な法律など
■先住民族の権利に関する国際連合宣言〔2007国連総会での採択〕
■アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及および啓発に関する法律〔1997制定〕
■アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議〔2008衆参両院での採択〕
■アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律〔2019制定〕
アイヌの文化をもっと知りたいときは
ウポポイ(民族共生象徴空間)は、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、2020年にオープンしました。
ウポポイ(民族共生象徴空間)(外部リンク)