ロマンあふれる古寺名刹、山深い結願の寺、今にも語りかけてくれそうな野辺の石仏…。
さぬき市は、四国霊場86番札所・志度寺と87番札所・長尾寺、そして結願の寺となる88番札所・大窪寺がある、歴史が息づくまちです。この二つの寺を結ぶ道は、多岐羊腸の道筋がありますが、ここでは、風情豊かで歴史が残る「へんろ道」を紹介します。
志度との境にある龍神伝説の残る当願堂から始まり、いつ訪れても大らかに迎えてくれる、大窪寺までの全行程約19kmの道のりです。弘法大師や漂白の俳人種田山頭火もたどった道。季節を感じ、歴史を学び、文化を体感できる「結願への道、いやしのへんろ道」を歩いてみませんか。
県道志度山川線の脇にある、二人の漁師の龍神伝説が残る当願堂より少し入った疎水の横の土道。
5月には見事なふじが楽しめる玉泉寺。
のどかな田園風景が広がる、広瀬橋少し北の生活道。
正月は「三味線もちつき」「長尾寺大会陽」、夏は「長尾観音夏祭り」、秋には「菊花展」と地元ではお観音さんの愛称で親しまれている、四国霊場87番札所・長尾寺。
へんろ道を歩く人たちの安全を守る高地蔵。
前山ダム湖の南側にある前山地区活性化センターには、「おへんろ交流サロン」が設置。ここではお接待も行われ、心あふれる情報交換の場となっている。また館内には、貴重なへんろ文化が見られる「へんろ資料展示室」も併設。
おへんろ交流サロンより中峠までは上がり坂。
眺望の美しい所がたくさんあり、見晴らしの良さに子供たちの顔も自然と和む。
峠の地蔵の前で熱心に説明をする解説ボランティア。
江戸時代中期の農家のたたずまいを今に残す民家、細川家住宅。
昭和46年、国の重要文化財に指定。
ゆっくり、のんびりと歩きたくなる多和・槙川の里道。
一五・一六丁石辺りは、旧へんろ道をそのまま残す。
標高770mの胎蔵ヶ峰を背景に緑の木々の間にただずむ四国霊場88番結願札所・大窪寺。
おへんろさんたちは、金剛杖を納め、長い巡礼の旅に終わりを告げる。
大窪寺境内にある種田山頭火の句碑
「ここが打留の水があふれている」