志度寺の中にある伝説上の海女の墓である。

　海女の玉取りの伝説は、「日本書記」の巻十二允恭天皇十四年の条に、天皇が淡路島で狩をされたとき、不漁だったので占わせたところ、赤石（明石）の海底にある真珠を取って、島の神に捧げればようというので、阿波の国の海士男峡磯に命じて海底に潜らせ、取った玉を神に奉ったところ多くの獲物を得たという伝説に影響されこの伝説が生まれたといわれ、執筆者は相良武任入道完徹である。

　藤原鎌足の女百光が、唐の高宗皇帝の妃となり、奈良の興福寺に奉納のため、３個の宝を送った。そのうち面向不背の玉が讃岐志度の沖で竜神のために奪われたので、淡海公藤原不比等は都から志度にきて、海女に命じて海中を探らせたが見当たらない。その後、純情の海女と恋仲になり一子が生まれた。それが藤原北家の房前だという。不比等から面向不背の玉を竜神に奪われたので、都から来たものだと事情を明らかにされた海女は、志度の沖の海底に潜り、竜神と闘い玉を取り返したが竜神に追われ手足を斬られ真珠島で命を果てた。

　海女の命日である十六度会の日には、今でも志度寺他で十六度市と呼ばれる市が立つ。

海女の墓

さぬき市志度1102（志度寺内）

JR志度駅から北西へ徒歩10分

（問）
　志度寺
　電話：087-894-0028